2009年07月11日

ソロビヨフの「反キリスト」予言

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1862年5月〜1900年にかけて、ロシア正教会の聖者ウラジミール・ソロビヨフは、ロシア正教会の守護神・処女聖ソフィアから啓示を受け、未来の出来事を見てきたかのように過去形で一冊の預言集にまとめている。
過去、ソロビヨフの預言は恐ろしいほど的中しており、非常に信憑性が高いことで知られている。
その預言集で最も重要なのが、「反キリスト」と「偽預言者」についての克明な予言である。
以下が、その概要である。

33歳にして偉大な思想家、作家、社会活動家として広くその名を全世界に轟かせた。
『万有の平和ならびに安寧への自由な道』という著書を出版し、世界が直面している諸問題の究極的解決法を人々に提示した。
たちまち本はベストセラーとなり、国際問題処理の第一人者の地位と名誉が与えられた。
その後、ヨーロッパ連邦の終身大統領に選出され、ヨーロッパに秩序をもたらし、人々に安寧をもたらした。
同時に、連邦が抱えていた社会問題や経済問題も解決した。
だが、社会の安定は人々に飽食をもたらした。
人々が次に求めるのは娯楽である。
彼はすぐさま、極東からやってきた魔術師を手元に置き、次々に奇跡を起こさせ、人々の欲求を満たしてやった。

魔術師の名はアポロニィ。
アジアとヨーロッパの血が半分ずつ混ざった天才である。
彼は異教国にあってカトリック司教であり、科学の最新の応用技術を会得し、また東洋の伝統的な神秘学の全てを利用する知識と能力を併せ持ち、その成果はまさに驚嘆すべきものだった。
中でも半ば科学的、半ば魔術的な技術を用いて、空中の電気を意のままに引き寄せて放電する技は見事であった。
民衆は、アポロニィのことを『天から火を呼ぶ男』と噂した。
彼はアポロニィに惚れ込んで採用した。
法衣を着せ、彼の影のごとく付き従わせ、人々が喜ぶ数々の奇跡を演じさせた。
彼はすでに政治的権力と経済的パワーを我が物としていたが、このアポロニィを利用して宗教界までをも牛耳った。
だが、彼を同じ一族の者と信じていた帝都のユダヤ人たちが、たまたま彼が割礼さえ受けていない異邦人であることを知った。
彼に騙されていたユダヤ人の思いは悔しさを超え、憎悪が一気に爆発した。
さすがの彼も自制心を失い、悪魔の霊が注がれて「反キリスト」に豹変。
狼狽した彼が最後に放った命令は、「ユダヤ人ならびにキリスト教徒を皆殺しにせよ!」というものだった。
反キリストに対抗する軍も、百万の軍を組織して激しく抵抗する。
その時、大地震が起こり、火山が爆発し、反キリストもアポロニィも、ついに荒れ狂う地殻の底に飲み込まれ、天空は闇に覆われた。
辺りに静けさが戻った時、天に巨大な稲妻が走り、イエス・キリストが2千年前と同じ姿で現れ、至福千年の到来を告げた……。


まず、ロシア正教会は4世紀末まで、「ヨハネの黙示録」を異端書として受け入れず、今でも教会の儀式で朗読されることはない。
この預言の興味深いところは、反キリストについて類を見ない克明な啓示を受けたソロビヨフが、ロシア正教会の聖人であることだ。
これはとりもなおさず、反キリストがロシアから生まれることを暗示しているかのように思われる。
ロシアでは、反キリストは西方から出現すると信じられ、「ローマ教皇こそが反キリスト」だとされ、東西対立の要因となった。
17世紀、ロシアで宗教改革が起き、旧ロシア正教徒は、「モスクワ総主教を反キリスト」だと考えた。
また、「ピョートル1世やナポレオンも反キリスト」だとされたが、19世紀後半以降、反キリストは東方から現れると信じられるようになった。

さて、ソロビヨフのいうヨーロッパ連邦というのは、現在のEUを指していることは説明するまでもない。
また、この物語に登場する偽預言者「アポロニィ」の名前は、ゴルバチョフの先代の反キリストだった「アンドロポフ」を彷彿させる。
ストーリーは「ヨハネの黙示録」と酷似しているが、ソロビヨフの預言はかなり具体的に描かれており、ゴルバチョフとローマ教皇の関係をも思わせる。
そして、もう1つの有名な予言「マラキ予言」を重ね合わせると、大魔術師である「偽預言者」の人物像が浮かび上がってくる。
posted by 夢蛇鬼-mujaki- at 01:07| Comment(0) | ノストラダムス予言複合解釈 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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